コエビス 「今年の十五夜は、9月12日。 一週間の始まりの月曜日なんだね。」
エビちゃん 「そうなのよ。 今年も十五夜のお月見の会を開催したいところなんだけど、ちょっと曜日の巡り合わせが悪くて・・・。」
コエビス 「去年は水曜日だったけど、翌日が秋分の日で祝日だったから、次の日の心配をしないでゆっくり楽しめたもんね。」
エビちゃん 「でしょ。 せっかくの十五夜だから、家族や仲間と集まって、美味しいお月見の献立をいただきながら、義左衛門の月見酒をたっぷり飲みたいもの・・・。」
コエビス 「ボクとしては、そのお姉ちゃんのたっぷりには、賛成できないけどね・・・。」
えべっさん 「エビちゃんにコエビス、何を困ってるんや。」
エビちゃん 「お父さん。 実は、今年の十五夜は、月曜日。 お月見を思いっ切り楽しむには、曜日の巡り合わせが悪いなぁっと思って。」
えべっさん 「何を言うとるんや。 お月見は、【十五夜】だけやないで。 夕方西の空に浮かぶ【三日月】だって情緒があるし、日没後の【上弦の月】の半月もなかなかのもんや。 【十三夜】は、昔から満月の次に美しいといわれているし、十四日月は【小望月】といって、これもまた、ちょっと足らんところが何とも言えん。」
コエビス 「そうなんだね。 昔から、満月だけじゃなくて、いろいろなお月様も楽しんできたんだね。 それに、だんだんと満ちていくお月様は、満月に向かってカウントダウンしていくみたいで、ドキドキワクワクする感じがあるね。」
えべっさん 「そやろ。 でも、これだけやないで。 昔の人は、だんだんと欠けていくお月様もまた、エンジョイしてきたんや。 まずは、【十六夜】。 こう書いて何て読むか知ってるか?」
エビちゃん 「たしか“いざよい”だったかしら・・・。 でも、どういう意味なのかしら???」
えべっさん 「“ためらう”って意味の“いざよう”からきてるらしいんやけど、つまり、月の出が前日の満月よりも少し遅くなったのを、お月様が少しためらって出てきたと見立てたわけや。」
エビちゃん 「へぇ。 そういう考え方って、ステキね。」